意外と知らないキャッシングの金利カードで損をしないために

クレジットカードのキャッシングは、困ったときのために使いたいもの。ただ、お金を借り入れる以上は利息がかかるので、計画的に考えて利用しないと損をしてしまいます。とくに、金利の計算をきちんとしていないと返済の方法によってはどんどん借金が膨らみ、気がつけば取り返しのつかない事態になっていることも。

キャッシングの利用で気をつけたい金利についてまとめました。

そもそも金利って?借金のしくみと歴史

クレジットカードの使用方法には大きく「ショッピング」と「キャッシング」の2種類があります。今回のテーマであるキャッシングは、カード会社から一時的に現金を借り受けること、すなわち借金です。

カード会社の収入は、利用者がカードを使用した際に発生する利息、すなわち「金利」によって支えられています。現金を貸し付けて利息を取るという手法のビジネスモデルは歴史が深く、日本では室町時代の土倉や酒屋が高利貸しとして収益をあげていたことが知られています。

また、貨幣経済が始まった当初、紀元前の古代バビロニアの時代から貸金業はあったといわれています。現代の日本でも、たとえばアベノミクスで推進される「金融緩和」といった政策は、金利を通じて利益を得るという考えが根底にあります。

銀行が企業に資金を貸し付けて、その資金を利用した企業が収益をあげ、銀行は貸し付けた資金の利息を得る。こうした経済の仕組みは、現在の政治にも生かされているのです。他人にお金を貸すという行為は、商品を売るのとは違い、やり取りされるのはお金のみです。

貸したお金を後日そのまま返してもらうのでは、貸主の収入は増えません。「お金を貸す」という行為そのものに対して一定額のお金を支払わせる必要が出てきます。それが利息です。では、私たちが利用するクレジットカードの会社は、より多くの利息をどのように取って利益をあげているのでしょうか。

実は、これには返済時の支払い方法が大きな鍵を握っています。

1回払いでも発生している利息

キャッシングの支払い方法には、「1回払い」「分割払い」「リボ払い」といった類型があります。ここでは比較をわかりやすくするために、1回払いとリボ払いの違いについて見てみます。仮に金利(年利)15%で10万円を借り入れて、1ヶ月後に1回払いで返済するとします。

この場合、1年間で発生する金利が15%ということなので、1ヶ月で発生する金利は15%×1/12=1.25%です。すなわち、10万円に1.25%をかけた1250円が、返済時に余分に支払う利息となります。10万円を1ヶ月借りて、発生する利息が1250円だけと聞くと、意外に大したことはないように思えてしまいます。

そう、利息は、一見すると「大したことのない」のです。そこが大きな落とし穴です。

リボ払いはおトクな利用方法?甘い謳い文句に注意!

今度は、リボ払いで返済する場合を考えてみます。リボ払いとは、全体の借入額にかかわらず一定の額を定期的に返済していく制度です。毎月同じ額を支払い続けるのが基本ですが、多くの場合は希望すれば余裕がある段階で多めに返済を進めることも可能となっています。

金融機関の触れ込みでは、「毎月の返済額が決まっていて安心!」「余裕があるときに追加で返済できるから、収入に応じて返済プランを変えられる!」など、利用者にメリットがあるかのような言い方がされています。しかし、油断してはいけません。

何しろ相手は紀元前から続く金融ビジネスです。家電製品などを売る会社が「わが社の製品はこんなに便利で使いやすい!」と宣伝するときは、(それが高いか安いかはともかく)実際に消費者の側もそれなりに便利な製品を購入できるメリットがあります。

しかし、貸金業において借り手である利用者が得をするということは、すなわち貸し手が損をするということです。自分たちが損をするような返済方法を、カード会社の側が積極的に勧めてくるわけがありません。

リボ払いで転がる借金、膨らむ利息

さて、先ほどの例をリボ払いの場合で考えてみます。10万円を同じく年利15%で借り入れて、毎月1万円ずつ返済していくリボ払いを選択したとしましょう。最初の1ヶ月で発生する利息は、一括払いのときと同じく1250円。

これは変わりません。変わってくるのは、利息が発生した後です。合計で10万1250円の借金があるところに1万円しか返さないわけですから、残った9万1250円は新たな借金として持ち越されます。次の月にも1万円を支払うわけですが、その頃には9万1250円に対して新たな利息が発生しているのです。

このサイクルは、返済が終わるまで繰り返されます。ちなみに、実際にこの例で返済を終える頃には、合計で7500円近くの利息が発生していることになります。一括払いの場合と比べて実に6倍近くの利息が生まれるわけですから、その差は侮れません。

そもそも、本来キャッシングとは一時的に現金が必要な場合に利用するシステムのはずです。一時的な借り入れのつもりが、継続的に返済をする必要に迫られ、借金の額も膨らんでいく…まさにキャッシングの落とし穴といえるでしょう。

しかし、生活費に困っているときなど、切羽詰っていたら先々のことまで考えていられません。まして、リボ払いによる金利の計算をあらかじめしてからお金を借り入れる人は珍しいでしょう。

キャッシング利用では金利を意識しよう

リボ払いは、英語のリボルビング(回転)という言葉に由来しています。一度お金を借り入れると、借金が利息を増やしながら転がっていく。文字通り、借金が転がる過程で利用者から貸主へ流れるお金も増えていくのです。

カード会社が大きな利益を得ていることもうなずけます。ここで述べたようなことは、意外とあまり知られていません。取り立ててお金に無頓着というわけではない人も、キャッシングのリボ払いを利用して知らない間に借金を重ねてしまっている可能性は十分にあります。

また、お金を貸し付けるカード会社の側がどのようにして収益をあげているかを考えるのも、キャッシングを賢く利用するための考え方の一つかもしれません。お金の貸し借りで損をしないためにも、「金利」の考え方を理解しておくことは重要です。

買い物が手軽にできるなど持っていれば便利なことも多いクレジットカードですが、手軽な分だけリスクもあるので、使い方はよく考えたいものですね。